なぜ戻されたのか?―ある体験者の大胆な仮説

 臨死体験者の中には、この「帰還」に、より深い意味を見出そうとする者もいる。アンディ・ペトロ氏は、1955年に湖で溺れた際に臨死体験をした。彼もまた、自分の体を見下ろしながら、トンネルの先に「太陽1000個分にも相当する」美しく巨大な光を見たという。

 しかし、彼の解釈は他の二人とは少し違う。彼は人間がこの世に戻ってくるのは「自らの選択」なのだと信じている。

「早くまた死にたい」天国から“強制送還”された人々の奇妙な証言の画像4
(画像=アンディ・ペトロ氏 画像は「Daily Mail Online」より)

「私がここに戻ってきた理由は、恐怖、分離、憎悪、差別といった感情を経験するためだ。光の中では、そんなものは経験できないからね。光の中では、我々は皆一つだ。分離も、序列も、支配者もいない。我々自身が光そのものなのだから」(ペトロ氏)

 彼は、「光の中に戻りたい」と切望しながらも、この地上で、光の世界で得た知識を分かち合うことが自らの使命だと考えている。

 彼らの証言は、私たちに死後の世界の存在を夢想させるだけでなく、「なぜ今、ここに生きているのか」という根源的な問いを突きつける。天国への帰還を心待ちにしながら、この世での役割を果たそうとする彼らの姿は、我々にとって「生きること」の意味を照らし出す、一つの光なのかもしれない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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