『日本の名門高校 – あの伝統校から注目の新勢力まで –』(ワニブックス)の発刊を記念しての連続記事の6回目。

日本人のノーベル賞受賞者は、昨年ノーベル賞をとった「被団協」を除くと28人(米国籍取得者を含む)であるが、日本人ノーベル賞受賞者を見てみると、25人が公立高校出身で、そのうち7人が旧一中の卒業生だ。

旧京都一中だった京都府立洛北高校は日本人ノーベル賞受賞者第一号の湯川秀樹(京都大大学)、第二号の朝永振一郎(京都大学)を輩出した。そのほか、東京都立日比谷高校が利根川進(京都大学)、福井県立藤島高校が南部陽一郎(東京大学)、大阪府立北野高校が吉野彰(京都大学)、山口県立山口高校が佐藤栄作(東京大学)、愛媛県立松山東高校が大江健三郎(東京大学)である。

京都府立洛北高等学校・洛北高等学校附属中学校 京都府教育委員会HPより

旧一中以外では、東日本は少ないのだが鈴木章が北海道道立苫小牧東高校(北海道大学)、梶田隆章が埼玉県立川越高校(埼玉大学)だ。

小柴昌俊は神奈川県立横須賀高校(東京大学)だが、この高校は、ノーベル賞受賞者・五輪金メダリスト(猪熊功)・内閣総理大臣(小泉純一郎)を出しており、日比谷高校とふたつだけだ。根岸英一は神奈川県立湘南高校(東京大学)。

愛知では小林誠が愛知県立明和高校(名古屋大学)、益川敏英が名古屋市立向陽高校(名古屋大学)だが、このあたりは総合選抜制がゆえに優秀な少年が分散させられたがゆえの現象。白川英樹は岐阜県立高山高校(東京科学大学)だが、これは旧女学校だ。

田中耕一は富山県立富山中部高校(東北大学)、大村智は山梨県立韮崎高校(山梨大学)、天野浩が静岡県立浜松西高校だ。

大阪では川端康成が大阪府立茨木高校、福井謙一が大阪府立今宮高校(京都大学)だ。本庶佑は山口県立宇部高校(京都大学)、中村修二は愛媛県立大洲高校(徳島大学)、眞鍋淑郎は愛媛県立三島高校(東京大学)、大隅良典が福岡県立福岡高校(東京大学)、下村脩が長崎県立諫早高校(長崎大学)、赤﨑勇が鹿児島県立甲南高校(京都大学)だ。