自宅で何かをする計画を立てているときでさえ、その未来の場所の中に飛ばされたような気分になるとのこと。

これは先ほどのアファンタジアとは正反対の現象です。

ハイパーファンタジアの持ち主は、ジェラルディンさんのように芸術的に優れた能力を発揮することが多いですが、反対に何もかもが鮮明に可視化されてしまうので、現在の今この瞬間に集中できず、注意散漫になりやすいといわれています。

それから過剰な視覚化から脳への負担も大きく、ジェラルディンさんも時々、脳の過度な働きから眠れなくなる日もあると話します。

このように、イメージが視覚化できない「アファンタジア」や、イメージが鮮明に見えすぎてしまう「ハイパーファンタジア」には共にメリットもあればデメリットもあります。

しかし、いずれも認知機能の異常を原因とするような疾患ではなく、「イメージの視覚化」において人間の幅の広さがあることを物語る不思議な脳の現象なのです。

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参考文献

Aphantasia: Why I cannot picture my children in my mind
https://www.bbc.com/news/health-68675976

Hyperphantasia: The Truth About Photorealistic Imagination
https://memoryos.com/article/hyperphantasia-revealing-the-truth-about-photorealistic-imagination

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部