古代エジプトを象徴するギザの大スフィンクスは、今もなお多くの謎に包まれている。とりわけ注目されているのが、この巨大建造物と「アヌンナキ」と呼ばれる存在との関係だ。この記事では、現代考古学では説明がつかない数々の痕跡とともに、アヌンナキによる“プレ・エジプト文明”の可能性を探る。

建造者不明の大スフィンクス──エジプト以前の遺構?

 スフィンクスは1817年、ジョヴァンニ・バッティスタ・カヴィーリャの指揮によって胸部が初めて発掘され、1925年から1936年にかけて完全に掘り出された。しかし、この巨大像に関する古代エジプトの文献は一切存在しない。この点から、一部の研究者は「スフィンクスはエジプト文明以前に建てられたのではないか」と考えている。

 さらに、ウクライナ国立科学アカデミーの研究者たちは、スフィンクスの建造時期を80万年前にまで遡るという大胆な説を発表。地質学的な観点から、スフィンクスには長期にわたる水の侵食痕が見られ、これが現代よりはるかに降雨量の多い時代のものと一致するとしている。

アヌンナキと“洪水以前の文明”

 アヌンナキとは、古代メソポタミア神話に登場する「天から地に来たりし者」とされる存在だが、近年では高度な技術を持つ地球外文明の一団であるという説が一部の人たちに支持されている。

 一部の研究者は、人類の文明はアヌンナキによって“起動”されたと主張しており、彼らの活動の証拠が世界中に点在していると考える。その象徴が、ギザのスフィンクスであり、巨大で精緻な構造は「プレ・フラッド(大洪水以前)」の高度な文明の痕跡だというのだ。

 また、19世紀のフランスのエジプト学者ガストン・マスペロは、スフィンクスは「ホルスの従者たち」の時代にまで遡るという古代エジプト人の信仰に言及しており、それがファラオ以前の半神的な存在による建造を示唆しているとされている。

スフィンクスはアヌンナキの遺産!? 80万年前の超古代文明説、エジプトが隠す「記録の広間」の謎の画像2
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))