インターネット使用頻度は、スマホ依存症レベルと関連します。
ネットの使用時間が増えると、当然ながらSNSやYouTubeチャンネルをチェックする頻度も増えるため、有名人への憧れがより強まると考えられます。

その一方で、社会経済状況(socioeconomic status:SES)が高い背景を持つ学生は、社会不安や有名人崇拝、スマホ依存の傾向が有意に低くなることも示されました。
社会経済状況(SES)とは、個人または家族の教育、収入、職業の状況を指します。
研究者によると、社会経済状況(SES)が高い家庭ほど、親が積極的に子育てをする傾向が強く見られるという。
それが子供の認知能力を向上させたり、良い生活習慣を身につけるのを助けることで、将来的な社会不安やスマホ依存を予防している可能性があるといいます。
その延長線上として、有名人崇拝も起きにくくなっているのでしょう。
今回の結果は中国の特定の年齢層にのみ焦点を当てていることに限界がありますが、同じ結果は多くの国々の若者にも見られる可能性があると考えられます。
かつては、こうした有名人崇拝はオタク特有の問題のように語られていましたが、現代は若者の間で広く見られる現象のようです。
その背景には、コロナ禍により孤立する人が増えた社会状況、若者の社会不安やスマホ依存、ネットで活動する配信者の増加が関連しているのでしょう。
有名人が言及したことで、特定の商品が飛ぶように売れたり、閑散としていた施設に来場者が増えたりといった現象はポジティブなニュースとして報道されていますが、その背景には若者を中心に増加傾向にある有名人崇拝が潜んでいる可能性があります。
有名人への憧れや応援は心理的にポジティブな効果をもたらしてくれますが、過度な崇拝は自身の生活を破綻させたり、周囲の人々に害を及ぼすリスクがあるため、有名人崇拝に陥りやすい特性がある人は注意が必要でしょう。