科学的説明:脳が見せる“もうひとつの現実”
ニール医師の体験は圧倒的にリアルで感動的であるが、医学界では別の見方がなされている。臨死体験(NDE)は、脳が極限状態に陥った際に発生する神経生理学的現象であるという説が有力だ。
脳内の酸素不足(低酸素症)によって幻覚が生じ、エンドルフィンやDMTといった物質が放出されることで、陶酔感や視覚的幻影が現れる。また、側頭葉が異常に活性化することで“神聖な存在”との遭遇や「人生の回想」といった現象も説明がつくとされている。
ニール医師の証言は、科学では完全には説明しきれない部分も含みつつ、多くの人々に「死後の世界」や「魂の存在」への思索を促している。臨死体験が実際にどこまで“現実”なのかは不明であるが、それが体験者に深い変容をもたらす点は確かである。
私たちは“向こう側”に何があるのかを、まだ知らない。だが、その扉に触れた者たちの語る言葉は、いずれ誰もが向き合うことになる「死」と「生」を、改めて考えるきっかけを与えてくれる。
メアリー医師が見た光景は、脳が見せた幻か、それとも魂の帰る場所か…答えは、まだ光の向こう側にあるようだ。
参考:Misterios do Mundo、ほか
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