また、超党派の議会予算局(CBO)の初期推計は、この法案が成立した場合、1030万人がメディケイド適用を失うことになり、その多くは共和党支持の州であるとしている。共和党は、メディケイド改革での歳出削減によって、数千億ドル規模の減税財源を確保しようとしているので、スーン院内総務やマイク・クラポ財務委員長は難しい舵取りを迫られそうである。

ひとつのポイントはスーン上院院内総務が『Fox』で述べた、「減税と雇用増加による経済成長とそれによる歳入増加」にあるように思われる。無茶とも思えるトランプ関税の狙いも、「減税原資の確保」と「製造業復活による雇用増」、延いてはそれによる「財政・貿易赤字の削減」にある。

増税一本鎗の財務省に篭絡された石破政権の減税峻拒の姿勢を見るにつけ、筆者は、大幅減税によって喚起される国民の活力に賭け、「MAGA」の実現を目指すトランプの「大きく美しい法案」の上院通過を願わずにはいられない。

なお、テスラ株の下落により5日一日だけでマスクの純資産が255億ドル(約3兆7000億円)減少し、3890億ドル(約55兆8000億円)になったそうだ。この額はトランプの純資産55億ドル(約7900億円)の4.6倍に当たるらしいが、マスクに同情する声は多くはなかろう。