ちょうど、膨らんだライフジャケットくらいの大きさに見えます。心のどこかで「あーこれはたまに釣り人が発見するやつ?」とか「ついに来たのかもしれない」と思いながらも、「どうかブイであってくれ……でも、もし本物なら……手の届く距離まで近づいたら警察に連絡しよう」と、釣りを続けながらも状況を注視していました。
アオリイカ手中も……
そんな中、ようやくこの日のファーストヒット。6時間粘って釣り上げた1杯目のアオリイカに安堵しつつ、ギャフを準備していると、あの“ライジャケらしき物体”が、気づけば10mほどまで接近してきていました。
「イカを上げたら、次はコチラをギャフで引っ掛けて確保してあげよう」そう腹をくくり、警察に連絡する為スマホも確認し、釣りは一時中断。
正体はブイ
ライトを手にして、その“それ”に光を当ててみると、オレンジ色のフロート(ブイ) でした。(笑)

ライジャケの必要性
「なんだよ、またブイかよ……」と数年前の似た事案を思い出し、思わず苦笑い。でも、同時に「ブイでよかった」と心底思いました。夜の海。誰もいない堤防。見えない何かに見られているような気配。そして静かに寄ってくる、妙な物体——。
こんな条件が揃えば、誰だって少しは“怖気”てしまうだけど今回も、ただのブイ。(笑)怖かったけど、無事に終わって本当によかった。
たしかに、ライジャケを着けていても駄目なときは駄目ですし、「どこでも着けろ」というのは、少し過剰すぎるのかもしれません。それでも 着けていれば助かる可能性は、確実に、そして劇的に高まります。

これから釣りのハイシーズン。楽しむためにも、“備え”と“無事に帰る意識”を、どうか忘れずに。
<刀根秀行/TSURINEWSライター>