これは、縄文人は川や湖で野生のコイを採取していたのに対し、弥生人は稲作などにより付帯的にコイの稚魚を利用するようになったとも考えられています。
遥か昔から日本人とコイの交流は続いているのですね。
満腹にならないコイ
コイは雑食性で、髭には匂いや味を感じとる「味蕾」という感覚器がついていることからかなりのグルメで、水草や貝、イトミミズを好んで食べています。
コイには「胃」が存在しておらず、食道から直接腸につながっています。エネルギー効率が低く満腹感を得られないからか、“爆食”であることでも知られます。
胃がないことで排泄が60分に1回という脅威のスピードで行われるため、コイは1日中エサを食べ続けてしまうのです。

コイが生態系に与える影響
コイは体が大きくて見栄えするという安直な考えで川やダムに放流されることが多いのですが、放流された先に生息していた生物達を根こそぎ食べてしまう可能性があるほか、遺伝子の撹乱で生態系が乱れ、過去には放流されたコイが持っていた病気が蔓延し、地元のコイが大量死した例もあります。
コイに限った話ではないですが、放流するのは絶対にやめましょう。
普段何気なく目にしているコイですが、その生態や歴史を調べてみるととても興味深い魚だということがわかります。
次に川でコイを見かけたときは、いつもと違う視点で観察してみてくださいね。
<ティガ/サカナトライター>