「ミサイル1発の価値はおそらく100万ドルで、殺せるのはせいぜい20人程度です。
しかし同じ費用で1万機のドローンを買って1機につき手榴弾を4つ搭載すれば、2000人を殺すか、戦車200両を破壊できるかもしれません」
まさにドローンは、現代の銃弾と同じく、効率の良い人殺しの”消耗品”となったのです。
ある調査によると、進行中の紛争における死傷者の70%はドローンによるものだというのだから驚きです。
しかし、ロシアも黙ってやられるわけではありません。
彼らはドローンの無線やGPSを妨害するジャミング(妨害電波)やスプーフィング(偽の位置情報を送る電子戦)を多用し、1ヶ月あたり最大1万機ものドローンを無力化してきたようです。
戦場でのドローンは消耗品になり、ドローン技術とジャミング技術は常に改良を重ねて相手の上をいかなければなりません。

この”イタチごっこ”の中で開発されたのは、AIによる視覚ナビゲーションを採用した画像認識ドローンです。
機体下部のカメラがランドマークや地上の風景(特定の目印)をリアルタイムで解析。
GPSが完全に妨害されている状態でも「自分の位置」や目標を判断して航行できます。
さらに、複数の無線帯域を使って通信を切り替えるなど、最先端の電子戦対策も施されています。
一方でロシア側も新しいタイプのドローンを導入しています。
対抗策なし!?ロシアの新兵器「光ファイバー式ドローン」
ウクライナのドローン革新に対し、ロシアが打ち出したのが光ファイバー式ドローンです。
これは、ドローンに極細の光ファイバーケーブルをつなげて飛行させるという驚きのアイデアです。
ケーブルを通じて操作するので、ジャミングが一切通用しません。
まるで凧のように、ドローンが光の糸で操られているのです。
