つまり、量ももちろん大切ですが、「いかに多様なフラボノイド食品をバランスよく摂るか」が、健康長寿の鍵を握っているのです。
「紅茶だけをたくさん飲んでも効果は限定的です」と語るのは、本研究の筆頭著者であるベンジャミン・パーメンター博士。
確かに、紅茶は調査対象となった英国人にとって主要なフラボノイド源であり、全体の摂取量の67%を占めていました。
しかしそれだけに頼った食生活では、フラボノイドの種類が偏り、期待される健康効果が最大限に得られないことが示されました。
実際に、最も多様なフラボノイド摂取をしていた人たちは、紅茶だけでなく、ベリー、りんご、ブドウ、柑橘類、ダークチョコレートなどをバランスよく取り入れていました。
これにより、異なるタイプのフラボノイド――たとえばアントシアニン(ベリー類に多い)やフラバノン(オレンジなど柑橘に多い)など――が補い合い、相乗的に健康効果を高めていたのです。

また、フラボノイドには「血管の柔軟性を保つ」「細胞の老化を防ぐ」「がん細胞の増殖を抑える」といった多様な作用が知られており、それぞれの種類が異なる働きを担っています。
つまり、多様なフラボノイドを組み合わせて摂ることで、さまざまな病気に対して“多角的な防御”が可能になるというわけです。
フラボノイド食品はどれも手軽に手に入るものばかりなので、日々の食卓に取り入れてみるといいかもしれません。
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参考文献
Tea, berries, dark chocolate and apples could lead to a longer life span, flavonoid study finds
https://medicalxpress.com/news/2025-06-tea-berries-dark-chocolate-apples.html
元論文
High diversity of dietary flavonoid intake is associated with a lower risk of all-cause mortality and major chronic diseases
https://doi.org/10.1038/s43016-025-01176-1