英ラフバラー大学(Loughborough University)の物理学チームが、最先端のナノテクノロジーを用いて「世界最小のヴァイオリン」を作成したと発表しました。
その全長はわずか35マイクロメートル(μm)。人間の髪の毛の太さの中にすっぽり収まるサイズです。
この極小のヴァイオリンは、もちろん音楽を奏でるために作られたわけではありません。
むしろ最新鋭のナノリソグラフィー(微細加工)という技術のデモンストレーションであり、遊び心と科学を融合させた試みとなっています。
では、世界最小のヴァイオリンはどのように作られたのでしょうか?
目次
- なぜ「ヴァイオリン」を選んだのか?
- 世界最小のヴァイオリンはどうやって作られるのか?
なぜ「ヴァイオリン」を選んだのか?

研究チームはなぜ「世界最小のヴァイオリン」を作ろうと思ったのでしょうか?
それは英語圏のポップカルチャーでよく使用される、とあるフレーズがきっかけとなっています。
そのフレーズとは「君のためだけに“世界最小のヴァイオリン”が演奏されているのが聞こえるかい?(Can you hear the world’s smallest violin playing just for you?)」というものです。
これは誰かが大げさに不満を言ったり、被害者ぶったりしているときに、皮肉やからかいの意味を込めて使われる表現とされています。
この言葉には「そんなに大げさに嘆くほどのことじゃないでしょ」「同情する気はないよ」といった冷ややかなツッコミが込められているのです。
1970年代の米国テレビドラマ『MASH』などで使われたのをきっかけに広まり、その後『スポンジ・ボブ』などのアニメ作品でも引用され、英語圏のポップカルチャーの中で定番のジョーク表現となりました。