この様に見てくると、ウクライナに対するロシアの勝利はなく、無条件停戦による事実上の戦争終結が両国にとって残された選択肢であると考えられる。米国トランプ政権による仲介は両国にとって有益であり、拒否すべきではない。トランプ大統領の狙いは停戦実現による米国の影響力と国際的権威の復活であろう。

なお、クラウゼビッツは、「その国の存亡が同盟国に重大な影響を有しているほど救援を期待できる程度が大きくなる」と言っている(『戦争論』257頁)。昔も今も同じであり日米同盟への重要な教訓である。

プーチン大統領 クレムリンHPより