消えた光輪が語るもの

 スミソニアン・チャンネルが公開した動画によると、レオナルド・ダ・ヴィンチ以前の「最後の晩餐」の絵画は、例外なくイエスと弟子たちを光輪と共に描いていた。つまり、彼らを聖人として描写していたのだ。しかし、ダ・ヴィンチはこの慣習を無視し、光輪なしで彼らを描くことを選んだ。

 ダ・ヴィンチ版では、弟子たちだけでなく、イエス自身にも光輪が見当たらない。

 イタリアの発明家であり、レオナルド・ダ・ヴィンチ研究の専門家でもあるマリオ・タッデイ氏は、この「消えた光輪」こそが、ダ・ヴィンチからのメッセージである可能性を示唆する。

 タッデイ氏によれば、ダ・ヴィンチが描いた人物たちは聖人ではなく、ごく普通の人間であり、それはイエスもまた死すべき運命の人間であったことを暗に示しているというのだ。「レオナルドが光輪を描かなかったのは、彼らが普通の人間だと考えていたからだと私は信じています。そしてこれこそが、レオナルドの真の秘密なのです。『最後の晩餐』の中に地球外生命体や超自然的なものは存在しません。レオナルドは、13人の男たちがごく普通の人間であることを私たちに伝えたかったのです。そしてこれは、はるかに強力な何かを物語っているのです」と、タッデイ氏は動画の中で説明している。

ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」に隠された衝撃の真実? イエスは“ただの人間”だったのか… 消えた光輪の謎
(画像=画像は「Amazon」より、『TOCANA』より 引用)