議題はまだ公表されていませんが、予想としては2つの戦争と対中国政策に重点が置かれるとみています。何故なら内容的にどの国も同じようなベクトルにあるからで議論しやすいからです。関税問題は世界の問題というよりアメリカが吹っ掛けている問題であり、ここでそれを俎上に載せるのは政治的に正しいのか、判断に迷うところではないでしょうか?特に英国とは既にいったん終了していますし、多分、残り全ての国も現在鋭意交渉中で一部の国は最終の詰めの段階にあるかと思います。よって最後のまとめをするところでちゃぶ台返しをしたくないという思いがないとも言い切れない気がします。よって議論があってもうわべだけの話に留まるとみています。

環境問題のテーマはトランプ氏と欧州が明らかに違う方向にあり、議論にならないし、まとまりを欠く気がします。安全保障については火種のある地域をどう鎮静化させ、2つの戦争が導火線にならないよう最大限の抑止力の議論はしてもらいたいところです。この点はトランプ氏も戦争嫌いですから一定のまとまりは期待できるかもしれません。

もう一つ、グローバルサウスとのG7諸国の付き合い方も議論になるのかもしれません。変な話ですが、G7諸国はグローバルサウスの国々を自陣に取り込みたいわけです。中国、ロシアも虎視眈々とそれを狙っています。ですが、当のグローバルサウス諸国は独立独歩的な発想を持っています。つまりどこにも影響されず、かつどちらとも適度な関係を維持したいのです。八方美人的な感じになると思います。個人的にはG7諸国が彼らのハートをガチ掴みするのは難しいと思います。

表題のG7サミットは不要か、という題目に対して「今年も期待できないね、だからもういいんじゃねぇ」と言うべきか、せっかく作った枠組みは無駄になっても維持すべきか、意見があるところでしょう。私は相違する意見を戦わせながらも民主主義をどう守るのか、地球規模の平和と経済と政治の安定をリーダー国としてどうシナリオを作るのかひざ詰め談判するには絶好の機会だと思っています。特にトランプ氏に権威主義的な行動がみられる中、ガバナンスという基本の中の基本にもう一度立ち返るのだ、という意識を持ってもらいたいと考えています。