このシステムを守るために「持ち合い」などのしくみができ、資本市場が機能しない。ニューズウィークでも書いたように、日本の潜在成長率を制約している最大の要因は、この資本市場の機能不全だが、政治家は問題の所在にも気づかない。

日本企業のROEがアメリカの1/3という数字は、日本には資本主義が存在しないことを示している。政治的にも、イギリスの保守党やアメリカの共和党のような資本家の党がないので、政策の対立軸ができない。

もちろん資本主義には功罪両面がある。農協に代表される国家社会主義が、戦後日本の平等社会をつくることに貢献した面もある。しかし今グローバル化に直面する日本に必要なのは世界で闘える資本家であり、撲滅すべきなのは農水省や経産省のような国家社会主義の亡霊である。