象が生きているうちだけではなく死んでからもそれを利用して金儲けをしているあたり、江戸時代の庶民のたくましさが窺えます。

わずか1年で日本語の指示を理解するようになった象

広南従四位白象、木挽町狩野家5世狩野古信による下絵
広南従四位白象、木挽町狩野家5世狩野古信による下絵 / credit:wikipedia

余談ですが、象は言語を理解できる動物と言われていることもあり、それ故調教も言葉を介して行われます。

この象はベトナムからやってきたということもあり、当初はベトナム語しか理解することができず、それゆえベトナム人が象を調教していました

なお当時の日本人の中にベトナム語を理解できる人は皆無だったことから、当初日本人が象に何か指示を出すときは一旦中国語でベトナム人の通訳者の指示を出し、その通訳者が象を調教する人にベトナム語で指示を出してもらっていました

しかし象は日本語への理解を深め、1年後には日本語の指示も理解できるようになったと言われています。

こういったところにも、象の知能の高さが窺えます。

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参考文献

関西大学学術リポジトリ (nii.ac.jp)
https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/records/12436

ライター

華盛頓: 華盛頓(はなもりとみ)です。大学では経済史や経済地理学、政治経済学などについて学んできました。本サイトでは歴史系を中心に執筆していきます。趣味は旅行全般で、神社仏閣から景勝地、博物館などを中心に観光するのが好きです。

編集者

ナゾロジー 編集部