第三に、組織文化を理解することです。挑戦を評価する文化なのか、失敗を許容しない文化なのかによって、同じ行動でも評価は大きく異なります。
困難な案件に関わる場合、最も重要なのは「撤退ライン」を明確に設定することです。どこまでやってダメなら手を引くのか、どの程度の損失までなら許容できるのかを事前に決めておく必要があります。
また、一人で抱え込まず、上司や関係者と密にコミュニケーションを取ることも重要です。問題が発生した際に「なぜ相談しなかったのか」と言われないよう、定期的な報告と相談を欠かさないようにしましょう。
最終判断における心構え
責任の引き受け方に正解はありません。自分のキャリアプラン、現在のポジション、組織の特性、案件の性質など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。
困難な案件が必ずしも避けるべきものではありませんが、安易に「チャンス」と捉えるのも危険です。冷静な分析と慎重な判断、そして引き受けた後の着実な実行が求められます。最終的には、自分の判断に責任を持ち、その結果を受け入れる覚悟が必要です。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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