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会社では様々な場面で「責任」を引き受ける機会があります。すべての責任を無条件に引き受けることも、すべてを避けることも、どちらも適切ではありません。重要なのは、自分の能力、組織の状況、そしてリスクと機会を総合的に判断することです。
困難な案件への向き合い方
会社にはリスクを伴う様々な責任が存在します。困難な案件を避け続けていると、挑戦を避ける人という印象を持たれる可能性があります。一方で、無計画に責任を引き受けると、自分の能力を超えた問題を抱えることになりかねません。
責任を引き受ける前に考慮すべき点として、まず自分がその案件に対してどの程度の影響力を持てるかを冷静に評価する必要があります。また、失敗した場合のリスクと、成功または適切に処理した場合の見返りを天秤にかける必要もあります。
赤字プロジェクトの撤退処理や、問題を抱えた案件の収束など、一見誰も引き受けたがらない仕事があります。これらの案件に関わることで、問題解決能力を示す機会になる可能性はありますが、同時に大きなリスクも伴います。
例えば、既に問題が深刻化している案件では、途中から参加しても責任の一端を負うことになります。「私が参加した時には既に手遅れだった」という言い訳は、多くの場合通用しません。また、撤退処理がうまくいったとしても、それが必ずしも高い評価につながるとは限りません。組織によっては、失敗案件に関わったという事実だけでマイナス評価となることもあります。
案件の見極めと対処方法
もし困難な案件に関わることを検討する場合は、以下の点を慎重に確認する必要があります。
第一に、その案件の真の状況を把握することです。表面的な情報だけでなく、なぜその状況に至ったのか、これまでどのような対策が取られたのか、関係者の本音はどうなのかを理解する必要があります。
第二に、自分が関わることで何が変わるのかを具体的に想定することです。単に「頑張る」では不十分で、具体的にどのような行動を取り、どのような結果を目指すのかを明確にする必要があります。