また、どのフィールドでもいえることだが時期ごとのブラックバスの状態を考察することが重要だ。GWの九州の平野部ではバスの産卵行動は後半に差しかかっており、産卵行動の疲れが残っていて早い動きはまだできない。そして産卵行動でついた傷をいやすべく太陽光に当たるように水面に覆いかぶさった木やブイや垂直護岸が形成する日陰などに浮きたがる魚が多い時期だ。そういった産卵行動直後の状態を念頭にルアーや狙う場所を選ぶ。
クランクベイトで日陰を攻略
エントリーしたのは東西に延びる筋。一日を通して太陽光がほぼさえぎられることなく降り注ぐため水温上昇が早く、朝の放射冷却による冷え込みからの回復もはやい。また、攻略のキモとなる日陰も少なく限られるため、逆に魚を絞りやすい。日陰を形成する木やブイや垂直護岸に狙いを絞り、右岸と左岸に分かれて流していく。
選んだルアーは、フラットサイドクランクと呼ばれる細身のクランクベイトと大型の金属リップが搭載されたメタルリップのクランクベイト。一見キワモノな選択に見えるが、非常に理にかなっている。

前者は巻くとパタパタと左右に倒れるようなアクションし、これをシェイクしながらゆっくり巻くことでさらに大きく左右に倒れ込むようにアクションする。ただ巻くより短い距離で多くアピールできる。後者はゆっくりトロトロ巻くことで大型の金属リップをギラギラと反射させながら、メトロノームのようにゆっくりお尻を振って泳ぎ、反射とブンブンというアクションで口を使わせる。ハイピッチとローピッチのこれらのルアーをローテーションし、数少ない日陰に丁寧にアプローチしていく。
読み通りバスをキャッチ
前半から読みが当たり、複数の好条件が重なったスポットでは狙い通りに反応があった。ちなみに産卵行動前か後かの判断だが、額の噛み傷の有無などをひとつの指標にしている。産卵行動時にオスがメスの頭や体を噛む習性があるため、噛み傷の有無が状況をとらえるのに役立つ。
