黒坂岳央です。
長い間、生きてきて、ようやくわかったことがある。
人生で幸せになりたければ、「戦いに勝つ」か「戦いから降りる」か──このどちらかしかないということに。
これは極論に聞こえるかもしれないが、逆を考えればすぐにわかる。「負け続ける」か、「望まない戦いに無理やり駆り出される」──これが続く限り、人は確実に不幸になる。その意味で、やはりこの仮説は遠からず真実だと思っている。
今回は、個人的な体験を交えながら、この考えを深掘りしてみたい。

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この世界は、競争社会である
まず前提として、我々は望むと望まざるとにかかわらず、競争社会に生まれ落ちた。受験、就職、昇進、恋愛、婚活、果てはSNSでの「いいね!」数──人生のあらゆる局面が競争に満ちている。
人生における「勝利」とは、自分の望みを明確に持ち、それを達成することだ。しかし、富や地位、愛情、リソースには限りがある。同じものを求める誰かと必ず競り合うことになり、そこに競争が生まれる。
こう書くと、なんだか恐ろしい世界に思えるかもしれない。だが、実際にはそう悪いものでもない。健全な競争はむしろ楽しいし、人生を豊かにする。
勝利を目指す過程で人は思考し、成長し、自信や達成感を得る。どうやれば目的を達成できるか?という戦略を立案する過程がすでにエンタメなのである。
記事や動画を出してあまり反響がない日々が続く中、試行錯誤しながら改善を繰り返した結果、反響が大きく取れた時はものすごく爽快な気分になる。反響が取れた実績も残るし、試行錯誤してレベルアップした経験値も残る。この一連のプロセスは後続の人生も良いものにしてくれるのだ。
戦わないという選択肢
とはいえ、常に勝てるわけではない。だからこそ「戦いから降りる」という選択が必要だ。
「戦いから降りる」──それは敗北ではない。むしろ、自分が本当に戦うべきフィールドを見極める、勇気ある決断だ。