松村優太(左)伊藤涼太郎(中)オナイウ阿道(右)写真:Getty Images

まだ一度もJ2降格を経験したことのない名門チームが苦境に立たされている。

Jリーグ発足時(1992年)の10チーム、いわゆる“オリジナル10”の一角である横浜F・マリノス(現・勝ち点11)は5月29日現在、2025明治安田J1リーグで最下位に沈んでいる。試合消化数にばらつきはあるものの、残留圏ギリギリの17位に位置するFC東京との勝ち点差は「8」である。

ここまでの総得点数は「15」で、これはファジアーノ岡山(現12位)、アビスパ福岡(現14位)と並び15位タイの記録だ。総失点数はガンバ大阪(現11位)、名古屋グランパス(現16位)と同じ「26」でリーグワーストの18位タイ、得失点差に至っては「-11」とリーグワーストで、今シーズンの深刻な低迷を象徴する数字だ。

この状況を打破すべく、今夏緊急補強に乗り出す可能性は高い。優先順位が高い補強ポジションは、5月24日に負傷離脱が発表されたFW宮市亮が務めていた左ウィング、ロングボールを収めることが出来るセンターフォワード、前線へのパスを供給できるセンターバックが候補となってくるだろうか。ここでは、現実路線で補強がありそうな5選手をピックアップしていく。


伊藤涼太郎 写真:Getty Images

伊藤涼太郎(シント=トロイデンVV)

1人目はシント=トロイデンVV(ベルギー1部)のMF伊藤涼太郎。

浦和レッズ、水戸ホーリーホック、大分トリニータなど複数クラブを経て2022年にアルビレックス新潟へ移籍。当時J2だった新潟で41試合に出場し、14ゴール9アシストを記録するなど一気に才能を開花させ、翌年シント=トロイデンVVに移籍している。

セカンドストライカーやウィングバックでのプレーも可能な伊藤。シュートの上手さ、正確なパス、変幻自在のドリブルでチームの得点に絡んでいく。チームメートをも驚かせる想像力あるプレーで一目置かれているようだ。FW宮市が右ハムストリングスの肉離れ(全治6~8週間見込み)で負傷離脱となった今、伊藤に白羽の矢が立ちそうだ。


松村優太 写真:Getty Images

松村優太(鹿島アントラーズ)