午前中に少し気落ちすることがあっても、パワーナップで気持ちをリセットできるかもしれません。
反対に、この研究では30分を超える長時間の昼寝を取ると、気分の改善や幸福感の増加は得られませんでした(その理由については後ほど)。
さらにパワーナップは心血管疾患のリスク低下とも関連している可能性があります。
ベンダー氏によると、私たちは起きている時間が必要以上に長くなると、テストステロン・コルチゾール・ノルアドレナリンなど、ストレスを感じたときに放出される化学物質が体内に蓄積されやすくなるという。
しかしパワーナップの習慣がストレス関連物質の蓄積を抑制し、血圧と心拍数を正常化させることが示されているのです(Current Hypertension Reports, 2018)。
このようにパワーナップには数え切れないほどのメリットがあるわけですが、ではどうして昼寝は短い方が良いのでしょう?
30分以上の長い昼寝が逆に健康に悪影響を及ぼす理由とはなんなのでしょうか?
短い昼寝が健康によくて、長い昼寝が悪い理由は?
分かりやすく定義しておくと、15〜30分は短い昼寝、30分以上が長い昼寝となりますが、この30分のラインで健康効果に大きな差が出るのは、私たちの睡眠サイクルに理由があります。
ご存じのように、私たちの眠りのステージは「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」に分けられます。
レム睡眠は脳が活発に動いている浅い眠りで、この間に情報の整理や記憶の定着が行われています。夢を見るのもこの時間帯です。
ノンレム睡眠は大脳が休息する深い眠りで、脳と肉体の疲労および機能回復の働きをしています。
私たちの眠りはまずノンレム睡眠から入り、一気に深い眠りに陥ります。
入眠から約1時間後には徐々に眠りが浅くなり、レム睡眠へと移行。その後はこれを約90分の周期で5〜6回繰り返します。
