ポーランドで6月1日、大統領選挙の決選投票が実施される。決選投票は、今月18日に実施された第1回投票で上位2人、親欧州派のラファウ・トシャスコフスキ氏と右翼民族派のカロル・ナヴロツキ氏の間で争われるが、現地の世論調査によると、両者の支持率は拮抗している。欧州連合(EU)の有力国ポーランドの大統領選の行方にブリュッセルは関心をもって注目している。

与党「市民プラットフォーム」が大統領選に擁立したトシャスコフスキ氏 Wikipediaより

第1回投票では、ドナルド・トゥスク首相が率いる与党リベラル保守派「市民プラットフォーム」(PO)に所属するトシャスコフスキ氏が31.36%の得票率でトップ、それを追って、元与党「法と正義」(PiS)の支持を受けるナヴロツキ氏は29.54%だった。両者の差は1.82%と僅差だった。

大統領選の行方は欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドにとって重要な選挙だ。ワルシャワ市長のトシャスコウスキ氏(53)が勝利すれば、トゥスク首相は自身が推進する政府の改革の道を開くことができる。一方、42歳のナヴロツキ氏が決選投票で当選すれば、退任するアンジェイ・ドゥダ大統領(PiS)の封鎖政策が継続されることが予想される。

大統領府をPiS、政府が与党POが主導する場合、政府と大統領府が対立することで、政治的膠着状態、ねじれ関係が続き、最終的には早期の議会選挙につながる可能性が出てくる。

外電によると、選挙集会ではナヴロツキ氏の支持者たちは愛国歌や宗教歌を歌い、移民の終結を求めるプラカードを掲げる一方、トシャスコフスキ氏の集会では、多くのデモ参加者がEU旗やレインボーフラッグを振っている。

決選投票では、第1回投票で躍進した極右候補のスラヴォミル・メンツェン氏と反ユダヤ主義の欧州議会議員グジェゴシュ・ブラウン氏の票の行方が注目される。両者で20%以上の得票率を上げている。ちなみに、ナヴロツキ氏はメンツェン氏と政策的統一戦線を構築する考えはないという。