その隙間を縫って目立つのがカナダにおけるインド系の人のビジネス進出です。この10数年、前述のタクシーやスーパーのレジ打ちから運送業、特にトラックドライバーが増え、建設業でもインド系を見かけない現場はほぼないと言い切ってよいと思います。5年ぐらい前はインド系の建設会社にやらせると何を作るかわからないと言われたのですが、そのイメージは大きく変わろうとしています。

先日電話工事を担当したのはインド系、私のフィットネスのインストラクターもインド系、私の会社の保険会社の担当もインド系、私の担当の専門医もインド系、寿司屋で器用に箸を使って食事しているのは中国系からインド系に変わりつつある…こんな変化を確実に感じ取っています。

もともとカナダに移住できるインド系はインド国内でもそれなりのステータスの方だと理解しています。ということは優秀なインド系が国内外で経済をけん引し、富の分配が進みつつあるのでしょう。もちろん、それが日本のように「一億総中流」的な形にならないのは分かっていますが、ここバンクーバーに限れば確実に中国人のビジネスを侵食しつつあります。

以前にも書きましたが、インド系にも様々な人種がいるのですが、中心となるアーリア人は紀元前1500年頃にインドに侵攻し、インドヨーロッパ語族としてインドに定着した人が多く人種的にはインド人は欧州人に近いものがあります。地政学的にはアジアの一部になっていますが、感性的には中東にも共通するものがあり、向く方向は欧州なのかなと感じるわけです。

GDPで見ると23年が9.2%、24年が6.4%(推定)、25年見込みが6.7%のようです。昔の日本や中国のように製造業が大きく伸びる時代ではないので人口が多いメリットである人口ボーナスが以前ほどではないと予想しています。同じことは中国の都市部と農村部の経済的格差で既にみたわけでインドも別の意味での格差社会がいずれ到来すると思いますが当面は中進国に向けて中国を凌駕する成長率と国民の自信、更には世界からの直接、間接投資で立ち位置が大きく変貌していくとみています。そして思想やブラッドがより欧州人に近いことで「アジア人」というとっつきにくさがない点で欧米におけるインド系の人は有利に見えます。

トランプ大統領とモディ首相 同首相インスタグラムより