目覚めの一杯、仕事前の一杯、昼休みの一杯……。
現代人は一日に何杯もコーヒーを口にし、そのたびに頭が冴え、集中力が高まる感覚を覚える人は多いはずです。
そして、この「冴える感覚」は、コーヒーに含まれるカフェインのおかげであると考えるのが常識でした。
しかしスロベニア・リュブリャナ大学医療センター(UMC)の最新研究で、驚くべき事実が明らかにされています。
実験によると、習慣的にコーヒーを飲んでいる人は、カフェインが含まれていないコーヒーを飲んだ場合でも、脳波や反応時間といった認知機能において、カフェイン入りと同じような効果が得られていたのです。
頭のスイッチを入れるのは「カフェイン」ではなく、コーヒーを飲むという「習慣」なのかもしれません。
研究の詳細は2025年1月30日付で科学雑誌『Heliyon』に掲載されています。
目次
- 脳にスイッチを入れるのは本当に「カフェイン」なのか?
- カフェインレスでも認知機能はUPできる
脳にスイッチを入れるのは本当に「カフェイン」なのか?

コーヒーは今日、世界中で毎日20億杯以上も消費されている、最も広く親しまれた飲料のひとつです。
そしてその人気の秘密は、多くの人が感じる“覚醒効果”にあります。
この効果の主成分とされているのがカフェインです。
カフェインは中枢神経を刺激し、眠気を抑え、集中力や反応速度を高めることが知られています。
実際に、これまでの研究でもカフェインの摂取が注意力、処理速度、問題解決能力などの向上につながることが確認されてきました。
しかし近年注目されているのは、その効果のすべてがカフェインの直接作用とは限らないという視点です。
特に、コーヒーを日常的に飲んでいる「習慣者」においては、香り、味、温かさ、そして飲むという行動そのものが脳に影響を与える可能性が指摘されつつあります。