それらの人は「ネガティブな感情を抱くと人生の価値が下がる」と考えてしまい、落ち込んだり不安になったりしないよう自分に強いプレッシャーをかけていたのです。

「落ち込むこともある」と考えられる人は幸せ
「落ち込むこともある」と考えられる人は幸せ / Credit:Depositphotos

一方、将来の幸福のために1日1日最善を尽くして行動する人は、逆にネガティブな感情を避けようとしていませんでした。

現在の幸福を過度に求めないので、「落ち込んだり不安になったりすることはある」と考えます。

そして、一時的にそのような感情を抱くことがあっても、「人生の価値は下がらない」と感じていたのです。

この結果から、意図的にネガティブな感情を抑制または回避しようとすることが、幸福度を下げると分かります。

実際、2017年の研究では、ネガティブな感情を回避しようとするプレッシャーが、その後の抑うつ症状をもたらす、という結果が出ています。

私たちが本当の意味で幸せになるには、ネガティブな感情を受け入れるべきだったのです。

同時に将来の幸せに向けて行動することも大切だと分かりました。

不遇に負けず目標に向かって頑張っている人はキラキラと輝いて見えますが、それこそが「幸福度の表れ」なのかもしれませんね。

全ての画像を見る

参考文献

The pressure to avoid negative emotions might help explain why some approaches to happiness backfire
https://www.psypost.org/2021/09/the-pressure-to-avoid-negative-emotions-might-help-explain-why-some-approaches-to-happiness-backfire-61860

元論文

When the pursuit of happiness backfires: The role of negative emotion valuation
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/17439760.2021.1897869