ホラー映画『死霊館』シリーズで世界中を恐怖に陥れた呪いの人形アナベル。その実物が、保管されている博物館から「逃げ出した」という噂がSNSを駆け巡り、超常現象ファンを騒然とさせた。しかし、結論から言えば、アナベルは今も厳重に保管されている。一体何が起こったのだろうか?
「アナベル逃亡説」の真相:調査員がTikTokで火消し
騒動の発端は、アナベルがアメリカ・コネチカット州にあるウォーレン・オカルト博物館のガラスケースから姿を消した、というSNS上の憶測だった。この博物館は、著名な超常現象研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻によって設立され、「呪われた」とされる品々を収蔵しており、アナベルはその中でも最も有名な展示物だ。ニューオーリンズでの一時的な展示中に姿を消したという情報も飛び交い、「憑りつかれた人形が野に放たれたらどうなるのか?」とインターネットはパニック状態に陥った。
しかし、火のないところに煙は立たぬ、とは限らないのがSNSの常。ニューイングランド超常現象研究協会(NESPR)の主任調査員ダン・リベラ氏が、5月24日にTikTok動画を投稿し、この噂を鎮静化させた。
動画の中で彼は博物館を訪れ、アナベルが強化ガラスと木枠で厳重に保護されたケースの中に、静かに収まっている様子を公開。「盗まれてなんかいませんよ。ここに安全にいます」とリベラ氏は断言。さらに、「シカゴにはいませんが、2025年10月にはイリノイ州のロックアイランド・ロードハウス・エキゾチック・エクスポに出張しますよ」とジョークを交えて今後の予定も明かした。博物館の公式Facebookページも「ただの噂です。アナベルは盗まれていません。いつもの場所にいます」と声明を発表し、事態の収拾にあたった。
実はアナベルの「逃亡説」が流れたのはこれが初めてではない。2020年にも同様の噂が広まり、ウォーレン夫妻の義理の息子であるトニー・スペラ氏がYouTubeで否定する事態となっていた。「アナベルは逃げていません。ファーストクラスで旅行もしていませんし、ボーイフレンドに会いに行ったわけでもありません。もし本当に彼女が外に出たら、大変なことになりますよ」と、彼は当時語っている。