未来を科学的に予想するのは極めて難しいのですが、大昔から人間は予言を信じやすかったと言えます。古代アフリカでは宗教が統一化されておらず、多神教が主体なもののヒトが信仰にこだわることは太古の世界からあったわけです。キリスト教は予言ではなく、預言であり、宗教上の神や死者の思いを伝えるという意味になります。韓国などでは宗教が国家を運営しているのではないかと思うほど宗教に囚われの身であります。

地震や小惑星の衝突を科学的研究や推測から予想することを予知と言い、これは当たる当たらないは別として一定の論理的説明がなされる前提です。例えば直径40ー90メートル程度の小惑星「2024YR4」はNASAなど研究機関が追っており、現状、2032年に地球に衝突する確率が0.0013%あるとされます。地震や宇宙からの飛来物の予知が難しいのは予知研究とデータが未だに十分ではないから、とも言えましょう。

その宇宙からの飛来物ですが、上述のような小惑星のように一定の軌道を描くものはある程度計算で予想ができるのです。ところが流星のように地球に飛来する物体は常にあるといえ、そのほとんどすべては地上に来る前に燃え尽きてしまいます。時折その大きなものとして火球が来ます。見たことある人はいらっしゃいますか?私は昔、天体観測を趣味にしていたのですが、観測中に火球がゴーっと音を立てるほどの勢いで飛んでいくのを2-3度見たことがあります。神秘的でした。これは予想できるものではないのです。

地球の歴史では巨大隕石がごくわずか衝突しています。最大のものは6600万年前に直径10キロの小惑星がメキシコ沖に落ちて恐竜が絶滅したとされます。直径50メートル程度なら5万年前にあったようです。またロシアに1908年と2013年に直径50メートル、17メートル級の隕石が落ちたケースがありますが、両方とも地球衝突前に燃え尽きています。