■当初は様々なルール制限があったが…
当初は年齢幅が狭く、岐阜県在住、女性限定といったルールが課せられていた「ミス濃姫コンテスト」は、毎年少しづつ基準を変えていく。
その背景について、佐藤氏は「我々はミスコンをやりたいのではなく、濃姫まつりを通じて岐阜の魅力を外に伝えたい…という思いを叶えるには、どうすればいいかと考え、毎年変化させてきました」と、振り返る。
そこでコンテスト名に「ミス」を付けるのをやめ、募集要項の性別欄から「男・女」という選択肢を削除したのだ。
そして第5回ではついに、年齢、性別、国籍、生体種別不問という条件に変更。大胆な路線変更の経緯について、佐藤氏は「ペットやVTuber、AIアバターなどからの応募も可能にしたかったからです」とも説明していた。

今回Xを通じて大きな話題となった件について、佐藤氏は「多くの方に『濃姫オーディション』を注目して頂けたこと、非常に光栄に思います」「性別も年齢も国籍も、さらには種を越えて、誰もが『私は濃姫です』と名乗ることができる。そんな寛容で、少し不思議で、でもとても人間味あふれる空間が、今回の反響の根底にあると感じています」と、笑顔を見せる。
続けて、「岐阜県にはテレビのネット局がひとつも無く、供給元は名古屋か東京大阪となります。供給は受けるけれど、吸い上げはされない…という仕組みで、岐阜の情報が外に出ることは稀なため、SNS時代においてバズることはとても重要になります。しかし、バズったから喜ぶと言うよりは、その先に『何を伝えるか』『何が残るか』が問われる中で、濃姫まつりが“地域の光”として少しでも希望を届けられたなら、これほど嬉しいことはありません」と、語ってくれたのだ。

ひょっとしたら世界の最先端は、ドバイでもニューヨークでも東京でもなく、岐阜に存在するのかもしれない。