4月下旬、スペインとポルトガルで大規模な停電が発生し、その影響で欧州の太陽光発電インフラ、とくに中国製の太陽光パネルや関連部品への依存に対する懸念が高まっているそうです。

4月28日に発生したスペインの大規模停電は、再生可能エネルギーへの過度な依存や、電力会社の運用判断ミス、そして政治的な人事の問題など、複数の要因が重なった結果と見られています。電力の約70%を太陽光や風力で賄う一方、原子力や火力の比率が低く、さらに電力を備蓄する仕組みも整っていないことが、わずか5秒で15ギガワットの電力が失われる事態を引き起こしました。

参照:なぜスペインは電力を失ったのか:大停電の裏にあった3つの誤算

この大停電は、送電管理会社レッド・エレクトリカ社の判断ミスが主因とも指摘されています。特に再生可能エネルギーの過度な依存と発電配分の誤りが指摘されており、政府による政治任用が背景にあるとの批判も出ています。同社トップは電力の専門知識がなく、責任を否定。野党は第三者による独立調査を求めています。

参照:スペイン大停電「人災」だった!? 送電トップは電力ド素人

停電の原因は現在も調査中ですが、送電網の周波数異常や慣性のない太陽光発電の特性が影響した可能性があります。特に発電の約7割を太陽光と風力が占めていたことが注目されており、サイバーセキュリティの脆弱性も問題視されています。

スペインを中心とした大規模停電のようす

欧州では、ファーウェイなど中国企業が製造するインバーターや通信機器が広く使用されており、これらが遠隔操作の標的となるリスクが指摘されています。