やっぱりかと、今まで感じていたアタリがすべてカサゴだったのかと、一抹の不安がよぎった。それでも気を取り直して釣りを再開。

本命メバル登場

今度は起伏が少なめなポイントに移動したため、リグを1gにチェンジ。レンジを意識しながら、たまに一瞬だけフォールさせて探っているとヒット。お、これも結構な首振り。引きもそこそこ強い。

「でも、さっきのカサゴも同じような感じだったしなぁ」と慎重に引っこ抜いてみると、今度は本命のメバル。ギリ食べられるサイズくらいだったが、ようやく出会えた本命に、思わず頬がゆるんだ。

伊勢湾奥の陸っぱりライトゲームでカサゴ時々メバル【名古屋港~四日市】アジの気配はなし本命のメバルがヒット(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

 

その後も、メバルがぽつぽつと釣れ続けてくれて、気づけばそこそこの時間が経過していた。春の海らしい優しい風を感じながら、「そろそろ納竿かな」と思い始めたその時、「コンッ!」と手元に気持ちのいい明確なアタリが伝わった。

「これ、アジか?」と、リールを巻く手が自然と速くなる。引きもメバルとは違う。「これは……?」と、不安と確信の中に一抹の期待も頭をよぎる。海面に現れたのは、そう、安定のカサゴ君。だわね(笑)。というわけで、伊勢湾奥の春の釣行はここで納竿とした。

海の中にもようやく春到来

今回の釣行では、もう5月にもかかわらず、海の中がまだ完全には春に切り替わっていないことを実感させられた。カサゴは安定して釣れたが、メバルはポイントによって反応にムラがあり、アジに至っては気配すら感じることができなかった。

それでも、メバルの反応や表層〜中層で感じた軽いアタリは、「春の入口」が近づいている証拠……? 冬の安定から、今年は少し遅れてやって来た春の不安定さと、そこにある可能性の広がりへ。そんな季節の狭間を肌で感じることができた。

伊勢湾奥:今後の展望

伊勢湾奥は、水深や地形のバリエーションが豊富だ。そのため、今回のようにメバル・カサゴに加えて、タイミングさえ合えばアジや他の回遊魚にも出会える“春の可能性”に満ちたフィールドであると改めて感じた。