この研究により、幼い子供たちは、私たちの想定よりも不完全な仕方で物事を判断していると分かりました。

これにより大人は、子供に対して過剰な期待をしないよう助けられます。

4~5歳の子供が間違ったり、人間関係でトラブルを起こしたりするのは能力的にしょうがない場合が多いのです。

時には子供が嘘をついているかのように思える場合でも、それは子供の誤解が原因かもしれません。

トラブルが起きた時「他人の心の動きや」「他人が持っているだろう記憶」を前提に、大人たちが4~5歳の子供を叱ったり問い詰めたりすれば、悲劇がうまれるでしょう。

では大人たちは、心の理論を獲得している最中の4~5歳の子供たちをどのようにサポートできるでしょうか?

子供同士のトラブルは、相手の立場になって考えるよう教育する機会になる
子供同士のトラブルは、相手の立場になって考えるよう教育する機会になる / Credit:Depositphotos

例えば、ある子供が、他の子供から奪ったおもちゃでクラスメイトと一緒に遊んでしまう場合があります。

これは単にその子がわがままなのではなく、心の理論を獲得しきれていないのが原因です。

おもちゃを奪った子供は、「自分もクラスメイトもおもちゃがあって楽しいから、皆も楽しいはず」と考えており、「おもちゃを奪われた子が悲しんでいる」とは考えられないのです。

そんな場合に大人たちは状況を説明してあげる必要があるでしょう。

おもちゃを奪った子供と奪われた子供を一緒に呼び、それぞれがどんな気持ちだったか伝えてもらうのです。

そうすることで子供たちは徐々に相手の目線で考えられるようになり、心の理論を獲得していきます。

子供の教育は大人たちにとって重要な課題です。

こうした根拠に基づくなら、子供たちにとってよりベストな教育を与えられるでしょう。

全ての画像を見る

参考文献

Children Do Not Understand Concept of Others Having False Beliefs Until Age 6 or 7
https://neurosciencenews.com/false-belief-children-19372/