子供への質問:マキシは青と緑どちらの箱を探すか?

 

この質問を与えた場合、4歳以上の子供は、「マキシは青の箱を探す」と正しく答えます

ところが4歳未満の子供や自閉症の子供は、「マキシは緑の箱を探す」と答えます。

この時、子供は「自分が母親の行動を知っているので、マキシも同じように母親の行動を知っている」と誤解してしまっています。

マキシの目線で物事を考えることができないのです。

この結果により、これまで研究者たちの間では、「子供は4歳までに心の理論を獲得する」と考えられてきました

ところが今回、その通説を覆す新たな証明がなされました。

箱を3つにすると正解できなくなる

ファブリシアス氏ら研究チームは、「通説だった4歳の段階では、まだ心の理論を獲得できていない」と述べています。

そのことが今回、マキシ課題の箱を1つ増やす実験で証明されました。

マキシ課題【改良版】。赤い箱が加わっている
マキシ課題【改良版】。赤い箱が加わっている / Credit:Depositphotos

マキシ課題【改良版】

  1. 青い箱、緑の箱、赤い箱がある
  2. マキシは青い箱にチョコレートを入れ、その場から離れる
  3. 母親が現れる
  4. 母親はマキシに気づかれないように、チョコレートを青い箱から緑の箱に移し、その場から離れる
  5. マキシが戻ってきて、チョコレートを探そうとする

子供への質問:マキシは青、緑、赤のうち、どの箱を探すか?

 

通説に当てはめると、4歳以上の子供であれば、「青」と答えるはずです。

ところが実際には、4~5歳の子供は、50%の確率で「青」と答え、もう50%の確率で「赤」と答えました。

ファブリシアス氏は、この結果を次のように解説しています。

「箱が2つしかない場合、4~5歳の子供は、マキシの考えをしっかりと理解していなくても、正解できます。

しかし、3つ目の箱を追加すると、緑以外の2つの箱からランダムに答えます。

これにより、子供が当てずっぽうで答えているのが明らかになりました。