ドラマや映画では、カップルや夫婦は当然の様に一緒のベッドで眠っています。
こうしたシーンに対して、いくら結婚していたとしても寝るときくらい一人で自由に眠らせてほしい、と考える人もいるかも知れません。
実際パートナーがいる人は、一緒に寝るほうが良いのでしょうか? それとも寝るときくらいは別々になった方が関係は長続きしやすいのでしょうか?
心理研究では、こうした就寝時のちょっとした身体的なふれあいは、二人の関係性や心理的な安定に大きく影響しているといいます。
そしてアメリカのオーバーン大学(Auburn University)に所属するジョシュ・R・ノヴァク(Josh R. Novak)博士らの最新の研究によると、そのときのお互いの取る姿勢も、二人の関係に影響している可能性があるというのです。
この研究成果は2025年1月、『Journal of Social and Personal Relationships』にオンラインで公開されています。
目次
- 夜の寝姿勢が「愛着スタイル」を映し出す?
- 触れ合いながら眠るカップルは「安心感」が高い
夜の寝姿勢が「愛着スタイル」を映し出す?

これまでの心理学研究では、身体的なふれあい(身体的親密性:physical intimacy)は、恋愛関係において信頼や絆を深める重要な要素だとされてきました。
特に、ハグやキス、手をつなぐといったスキンシップは、不安やストレスを和らげ、オキシトシンという「愛情ホルモン」の分泌を促すことが知られています。
一方で、「眠っているときの姿勢」についての研究はあまり進んでいませんでした。
眠っている間の姿勢は、意図して操作しにくく、より無意識な関係性の表れとも考えられるからです。
ノヴァク博士の研究チームは、こうした視点から「就寝時にパートナーとどのような距離で眠るか」が、カップルの愛着スタイルや心理的な安定、さらにはストレスとの関係にどう影響しているのかを調べることにしました。