さらに、ドイツのシュトゥットガルト大学(University of Stuttgart)が2022年に行った研究では、クマムシの凍結と解凍を繰り返した実験により、凍結中には寿命が消費されないことも明らかになりました。
クマムシを何度も凍結&解凍した結果、凍結中は寿命が減らないと判明!
加えて、最強生物であるクマムシは、大量の放射線を浴びても生き延びることが可能であり、5000~6200グレイ(Gy)の放射線レベルに耐性があると言われています。
人間の場合、全身に1グレイ以上の放射線を一度に受けると、様々な臓器・組織に障害が生じるとされます。
その値が7グレイにもなると、ほとんどの人間は死亡してしまうと言われています。

放射線は細胞のDNAを傷つけます。DNAは細胞を作り出す設計図です。そのためDNAが破壊されると、細胞を複製できなくなってしまうのです。
このため、放射線を浴びた直後は身体に異変がなくても、代謝する中で身体に次々と異常が起きていくのです。
少量の放射線であれば、DNAの傷もすぐに修復されますが、大量の放射線を浴びるとDNAの破損修復が追いつかず、臓器障害やがんの原因となり、最悪代謝による細胞の入れ替えができなくなり死に至ります。
であるにも関わらずクマムシは、人間の致死量の約1000倍の放射線を浴びても生き延びることができます。
では、なぜクマムシは人間と同じ生物でありながら、放射線に対してこれほどまでに高い耐性を持つのでしょうか。
クマムシは驚異的な回復力により大量の放射線にも耐える
