実際に地球でも、真っ暗な海底にある「熱水噴出孔」の周りで生命が活発に活動している事例があります。
とはいえマーティン氏らは「自由浮遊惑星に生命がいるとしても、それらは微生物のようなごく単純な種であるだろう」と話しました。

それから、自由浮遊惑星のように独りぼっちでいることにも利点があるといいます。
それは惑星の運命が主星の寿命に左右されないことです。
惑星系に属する天体は中心の主星が寿命を迎えたときに、一緒に滅んでしまう可能性があります。
われらが地球も今から約76億年後に太陽が大きく膨張して赤色巨星になることで、飲み込まれてしまうと考えられています。
しかし自由浮遊惑星は単独で放浪しているので、主星の動向に影響される心配がないのです。
この分野の研究はまだまだ進展していませんが、宇宙には無数の自由浮遊惑星が存在していると見られています。
チームは今後も、生命が存在する可能性のある候補の一つとして、自由浮遊惑星の観測を続けていく予定です。
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参考文献
Starless and forever alone: More ‘rogue’ planets discovered
https://phys.org/news/2024-05-starless-rogue-planets.html
Euclid telescope spies rogue planets floating free in Milky Way
https://www.theguardian.com/science/article/2024/may/23/euclid-telescope-rogue-planets-floating-free-milky-way
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。