自由浮遊惑星は主星の重力に束縛されないので、その名の通り、宇宙のただ中を自由に放浪し続けます。
さらに主星の光を失ったせいで昼と夜のサイクルも失っており、その世界は永遠の暗闇の中に閉ざされています。
これは同時に、自由浮遊惑星の発見を困難にする要因でもあります。
惑星はそれ自体で光を放つことがないので、観測には周囲の星の光に頼らなければなりませんが、自由浮遊惑星は主星の光に照らされないので見つけるのが難しいのです。
しかしそんな中、欧州宇宙機関(ESA)の研究チームは、最新の宇宙望遠鏡「ユークリッド」を使って、7つの自由浮遊惑星を発見することに成功しました。
自由浮遊惑星にも「生命体」は存在する?
ユークリッドは2023年7月に打ち上げられたばかりの新しい宇宙望遠鏡です。
その観測の中で最近、地球から約1500光年先にあるオリオン大星雲に少なくとも7つの自由浮遊惑星が確認されました。
先ほど言ったように、自由浮遊惑星は周囲に光源がないので見つけにくいのですが、ユークリッドが発見したものは比較的誕生したばかりの新しい惑星であり、まだ内側から発する熱温度が高かったおかげで検出できたといいます。
またそれらの惑星は、木星の少なくとも4倍の質量に匹敵する巨大ガス惑星だったとのことです。
ただ研究に参加した天文学者のエドゥアルド・マーティン(Eduardo Martin)氏はそれでも「自由浮遊惑星を見つけるのは干し草の山から針を見つけるようなものだ」と述べました。

一方でマーティン氏らは「自由浮遊惑星には生命が存在する可能性もある」と考えています。
自由浮遊惑星は主星から届く光がないので、表面も暗く凍っていて、とても生命が居住できる環境にはあるとは思えません。
しかし研究者らは、近隣の星からの熱源がなくとも、惑星内部で生成された熱源さえあれば、生命がその場所で生き延びることは可能であると指摘します。