江藤拓・前農水大臣農水省HP

政権交代なら世襲規制も

江藤拓農相が「コメは買ったことがない。支援者がたくさん下さる。売るほどある」と述べ、辞職に追い込まれました。「たくさん頂いているので、『こども食堂』や施設などに寄付しています」とでもいえば、「さすが」となったことでしょう。世襲で楽して当選できた凡庸な政治家の典型なのかもしれません。父親の隆美氏は建設相、運輸相を務めました。

驚いたのは、後任に小泉進次郎氏(父親は純一郎・元首相)が就任し、官邸で石破首相(父親は元自治相)、林官房長官(父親は元蔵相、厚生相)の3人で撮った写真です。3人とも世襲議員です。辞めさせらたは江藤氏も世襲、新たに就任した小泉氏も世襲、選んだ石破氏も世襲、介添え役の林氏も世襲という構図に私は強い違和感を持ちました。

これほど日本政治の行き詰まりを象徴するケースは滅多にありません。もっと違ったアングルで撮る知恵が働かなかったのでしょう。政治感覚の鈍さを立証しました。世襲の彼らには自然のことであっても、一般の有権者は首を傾げます。

江藤氏の凡庸さ、石破首相の政治感覚の鈍さに比べれば、林、小泉氏は政治的能力はあるのかもかもしれず、世襲政治家だから全て凡庸ということではないでしょう。私が懸念するのは、日本政界の世襲議員比率は主要国で突出して高いという点です。自民党議員の世襲比率は約40%です。ChatGPTに質問しましたら、韓国10ー15%、米国5-10%(州議会を含む)、英国数%などと答えました。

世襲は地盤(後援会組織)、看板(知名度)、カバン(政治資金)を継げるので、特に小選挙区では圧倒的に有利です。第一回目の立候補での当選確率は世襲の60-70%に対し、非世襲は20ー30%と大差がついています。自民党が圧倒的に世襲比率が高く、「親から子へ」「跡継ぎないなければ、婿を迎えて事実上の世襲」などでこのままでは世襲議員がどんどん増えていくに違いない。