25年前、私がバンクーバーで比較価格で安いものを買うなら韓国製でした。15年前、そのバトンは中国に渡りました。そして今、インドです。今週、新しい事務所全室にブラインドを発注するのに相見積もりを取ったところ、ローカルの会社は80万円、インド系カナダ人の経営する会社は29万円でした。しかも自社製なので納期が数日と異様に早いのです。かつて中国人は寝る間もなく働くと言われましたが、インド人もやるなという感じです。工事現場に行けばいたるところにインド系の作業員とインド系の会社があふれています。

アップルがiPhoneの製造を中国からインドに移管すると発表しました。インドでの受託は数量にして現行の年4000万台から8000万台にアップです。直接的引き金は米中の政治的混沌を受けての話かもしれませんが、私はもっとグローバルな動き、「街は西に動く」がここでも展開され、いよいよインドが生産拠点としての足場を作りつつあると感じています。つまり、世界の工場として君臨した中国はそのバトンをインドに渡す一方、同国が経済発展をするにおいて日韓と共にグローバル競争に参入してくることが予見できます。

インドにおける製造業の萌芽に基づき、過去の歴史的事実から推測すると今から5年後の2030年にはインド人が世界でお金を落とす時代になるでしょう。かつては日本人が、そして10年前には中国人が爆買いしたように、です。インド人の一部はコーカソイドと分類され、欧州人と同じ系統とされます。よって彼らはアジアではなく、欧州に向かうのがナチュラルで日本で爆買いをすることはないとは思います。一方、インド国内市場は今後、更なる爆発的発展が期待できるわけでビジネスチャンスはあるのだと思います。ただし、日本人がちょいと稼ごうなんて言う軽い気持ちではあの国の人たちは攻略できないでしょう。なかなかタフです。

後記 私のようにカナダに住みながら日本との関係も同じように維持するとなるとどうしても時差を乗り越えて仕事をすることになります。そして増えてきたのが日本からの会議参加要請です。出席できるものは出ていますが、当地時間の午前3時から午前5時といった時間帯の会議は正直きつく、会議が終わると夜が明けていて鳥のさえずりが聞こえます。「5時から6時まで1時間寝てそのあと会社に行く」とか夜10時に「2時間仮眠して夜中12時開始の会議に出る」といった感じなので私の一日の睡眠時間7時間は分断されたトータルの状態です。で、眠くないのか、と言われたら結構普通で、週4回の運動も欠かさないし、本も読めるものです。24時間の使い方も多様化してきました。