バンジージャンプ相場というのは初めにどんと落ちる、だけど徐々にその反動の動きは狭まり、最終的にはあるところに収斂するという意味です。また初めの高さにも戻らないと申し上げました。トランプ氏の打ち出す政策はあまりにも古臭く、現代社会や経済の流れに沿っていません。今更「80’sよ、もう一度!」では話にならず、その点ではトランプ氏のMake America Great Again(MAGA計画)は成功しないとみています。ケンカをするのではなく、アメリカにないものを持つ相手を利用してレバレッジをかける、それが本当にアメリカ経済が潤う方策のはずです。

プーチン氏は何を考えているのか?

私はプーチン氏の生い立ちから今日まではざっと見てきました。それを踏まえ、ウクライナ戦争においていまだに明白なポジションを見せないのは何故なのか考えてみました。トランプ氏は「交渉は非常にうまくいっている。プーチン氏は交渉条件を飲むと思う。ただゼレンスキーはわからない」とゼレンスキー氏を呼び捨てにし、プーチン氏に寄り添う姿勢を見せています。今、ウィットコフ特使が4度目のプーチン氏との会談に臨んでいます。確かに表面上はイースターの30時間停戦案など若干の譲歩を見せていますが、本心でしょうか?

プーチン氏はあまのじゃく。これが私の見る彼の人物像です。彼が青春時代からずっとひねくれていたのは周りの同級生と比べカラダが小さいことに対するコンプレックスを持ち「いつか見返してやる」という反逆精神が今でもずっと残っている点で彼の人格形成の骨格がぶれていないとも言えます。よって誰かに迎合することはしません。安倍氏と北方領土問題で30回以上の会談をし、わざわざ山口まで招待までしたのに結果は真逆に動きました。プーチン氏のマインドは誰にもコントロールできないのです。

ではプーチン氏の現在の最大の関心は何でしょうか?私にはゼレンスキー氏が憎くて憎くてしょうがないのだと思います。そしてウクライナへの支援を諸外国に訴える姿勢が大嫌い、そしてリングから立ち去らないので徹底的に苛めている、そう見えます。うがった見方かもしれませんが、プーチン氏はわざと時間をかけて真綿で首を絞めるような戦争戦略に変えたのではないかとすら疑いたくなります。なぜなら現在の戦況はプーチン氏にとって心地よさげに見えるのです。アメリカがすり寄り、欧州が交渉の姿勢を見せる、これはプーチン氏にとって黒海のリゾートでヨットを浮かべるぐらいの感覚にあるとみています。ならばウィットコフ氏の努力は安倍氏と同じ末路を辿ることになるかもしれません。

萌芽するインド