最高裁のパトリック・ホッジ副長官は「平等法における女性と性別という用語は、生物学的な女性と生物学的な性別を指している」と述べた。また、「今回の判決で社会の一方の集団が勝訴し、他方の集団が敗訴したと受け取らないよう忠告する」。

米国ではトランプ大統領が「政府が認める性別は男性と女性の2つだけ」とする大統領令に署名しており、今回の最高裁の判決がこの流れに沿っているように見えるのは筆者だけだろうか。

どこまで制度が変わっていくのか

最高裁の判決に沿って、様々なルールが変わっていくのは避けられないだろう。平等法の下ではトイレや更衣室、病棟など特定の場所について、女性専用スペースの設置が認められているが、今回の判決後、トランスジェンダーの人が改めて疎外感を抱く可能性がある。スポーツ界のルールも変わっていきそうだ。

どの分野のどのようなルールを調整するべきなのか。あるいは変更なしでよいのか。判決後の対処法について、議論が始まったばかりだ。

編集部より:この記事は、在英ジャーナリスト小林恭子氏のブログ「英国メディア・ウオッチ」2025年4月22日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「英国メディア・ウオッチ」をご覧ください。