栄養豊かな食事や、それを補うためのサプリメントの摂取を意識している人は少なくありません。
でも、「本当に効果があるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
特に、アンチエイジングや健康寿命の延伸を意識してビタミンDを摂っている方も多いかもしれませんが、それがどんな結果を及ぼすのか、はっきりと示した例は限られています。
そんな中、Medical College of Georgia(MCG)の研究チームが主導した大規模臨床試験において、ビタミンD(D3)の毎日の摂取が、生物学的な老化を遅らせる可能性があるという結果が報告されました。
この研究成果は、2025年5月21日付で『The American Journal of Clinical Nutrition』誌に掲載されました。
目次
- ビタミンDってどんな効果?テロメアと老化の関係とは?
- ビタミンDはテロメアの“消耗”を3年分防ぐかもしれない
ビタミンDってどんな効果?テロメアと老化の関係とは?
人間の体は数十兆個の細胞からできており、それぞれの細胞には寿命があります。
その寿命を決める重要な要素のひとつがテロメアです。

テロメアとは、染色体の末端にあるDNAの繰り返し配列で、細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていく構造です。
これが限界まで短くなると、細胞はそれ以上分裂できなくなり、老化や死に向かっていきます。
そのため、テロメアの長さは細胞の若さを示す指標とされています。
以前から、テロメアの短縮と加齢関連疾患(がん、心血管病、糖尿病など)との関連が指摘されており、テロメアの長さは生物学的年齢の指標とも言われています。
では、このテロメアを守ることはできるのでしょうか。
いくつかの観察研究では、ビタミンD血中濃度が高い人ほどテロメアが長い傾向があると報告されています。