同じように繰り返していると、突然、竿をひったくるアタリがきた。水面下には平たい魚影が暴れているのが見える。ヒイラギかクロサギ、サッパ?こんなに強い引きなのだろうか。ノベ竿なので慎重にいなして取り込む。アジのような顔つきで黄色い側線。

「もしかしてシマアジ?」。10cmながら、確かにシマアジで、しかも2点掛けだった。近くにいた地元の人に聞いても「小さいシマアジが回遊することがあるよ」とのこと。1尾はその人が飼育したいとのことで差し上げて、1尾はどんな食味か食べてみたかったのでキープする。

小サバが釣れ続く

このあとも単発ながら小サバが釣れ、徐々にほかの場所にも釣り人が入ってくるようになった。なかでも、製氷機下のポイントで際立って釣り続けている。

とてもスムーズな手返しで見とれてしまったので声をかけると、「西伊豆へイシダイ釣りに行こうと思っていたけど西風で中止になり、ここに来ました。ワカサギ用のハリでサビキ仕掛けを結んでいます。イワシや小サバはニンニク醤油で漬け込んで唐揚げにすると、酒のあてには最高ですね」という。

ピトンを使った竿受けで釣り台を手作りし、ヘラ釣りのような素早い手返しはとても洗練されており、美しい釣りの姿に学ぶべきものがあった。

最終釣果は93尾

正午すぎに最干潮、潮がかなり引いていたが、それでも小サバは釣れ続いていた。私たちはまきエサが切れたので納竿。釣果は7~12cmに、小型ムツ3尾とシマアジ1尾を合わせ93尾。

前述の釣り人は話を聞いた時点で200尾くらいと言っていた。小サバながら魚影は非常に濃い状況。この先は、カタクチイワシの回遊にも期待したい。

ニンニク醤油の揚げ物を堪能

小サバのタナは、底より中層~上層のほうが掛かりがよかった。ちなみに、シマアジが掛かったときは底狙いだった。仕掛けは1~2号のハリを使ったトリックサビキ仕様が絶対的に有利。ワカサギ用でも代用できる。オモリは2~3号。竿はパックロッドでもいいが、5~6mのノベ竿のほうが釣りやすいし、面白いと思う。