マッキンタイア氏は、「実験後、参加者たちの睡眠時間や質に明らかな影響が及ぶことはありませんでした」と述べています。

そして、「この技術の良いところは、非常に簡単に行えて、その効果がカフェインよりもはるかに長く持続することです。またパフォーマンスが向上するだけでなく、全体的に気分が良くなります」と付け加えました。

市販の機器で簡単に睡眠不足と疲労感に対処できるため、軍隊以外にも北極圏や宇宙などの極限環境で働く人々には有用かもしれませんね。

今後研究チームは、さらに深刻な睡眠不足に対して、この装置がどれだけ効果的か調べる予定です。

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参考文献

Handheld Device Fights Fatigue by Stimulating Vagus Nerve
https://spectrum.ieee.org/tech-talk/biomedical/devices/vagus-nerve

元論文

Cervical transcutaneous vagal nerve stimulation (ctVNS) improves human cognitive performance under sleep deprivation stress
https://www.nature.com/articles/s42003-021-02145-7

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

海沼 賢: 大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。