複雑な地殻構造が生む地震リスクと、連鎖する災害
この断層破壊は、マンダレー管区のシングーからバゴー管区のピューまで伸び、80秒以上続いた。最も激しい地震エネルギーが放出されたのは、破壊開始から約30秒後だったという。この破壊は、周囲のS波(せん断波)よりも速く伝播したと考えられており、これがこの地震を稀な「スーパーシア地震」たらしめている。
パキスタンの工学技術大学の土木技術者カーン・シャザダ氏率いるチームは、2025年の地震の影響を調査した論文の中で、「ミャンマーは、その複雑な地殻構造により、長年にわたり大規模な地震活動の歴史がある」と指摘している。
この地域で最も活発な断層はサガイン断層で、ミャンマーを1400キロメートル以上にわたって縦断し、2つの構造プレートが互いにずれ動く境界となっている。マンダレーのような大都市もこの断層の近くに位置しており、壊滅的な被害を受ける高いリスクに常に晒されているのだ。
今回の3月の地震は、1912年以来ミャンマーを襲った最も強力な地震であり、1930年以来ミャンマー史上最悪の死者を出した地震として報告されている。
シャザダ氏らは、この地震が引き起こした影響について、「2025年の断層破壊は、連鎖的なリスクを明確に浮き彫りにした」と指摘。さらに、「そのスーパーシア速度と広範囲な地表変動は、ミャンマーのインフラ崩壊から、バンコクの軟弱地盤における高層ビルの倒壊といった二次災害を引き起こした」と述べ、地震の直接的な被害だけでなく、広範囲に及ぶ二次災害の深刻さも強調している。
地震は最も壊滅的で予測が難しい自然災害のひとつである。科学者たちは、その発生をより正確に予測する方法を見つけるため、地震の引き金となる要因の研究を続けている。
日本で生きる私たちにとって、この映像は決して他人事ではないかもしれない。今回の貴重な記録と研究が、未来の減災に繋がる知恵となることを期待したい。
提供元・TOCANA
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