— TideBreakers (@tide_breakers) May 18, 2025

では、ウィキとケイヨの未来に本当に必要な解決策とは何なのでしょうか?

フランスの環境省や動物保護団体が一致して挙げているのが「海洋サンクチュアリ」の設立です。

これは完全な野生環境ではなく、ある程度人間の管理下にありながらも、より自然に近い広い海域で動物たちを保護する場所のこと。

本来の生息地に近い環境で、半野生的な生活を送らせることで、ストレスや健康被害を軽減しながら長期的に保護するという考え方です。

しかしマイク・リデル氏によれば、そのようなサンクチュアリを維持するには、年間で200万〜300万ユーロ(約3.3億〜5億円)の費用がかかるとされています。

ただ、その投資には十分な意義があります。ウィキとケイヨは適切な環境であれば今後も数十年にわたって生き続けられると考えられているからです。

今回の映像がきっかけとなり、世界がふたたびこのシャチの親子に目を向けています。

この関心が一過性のものではなく、持続的な保護活動へとつながっていくことが、彼らにとっての「本当の解放」につながるかもしれません。

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参考文献

Video of Orcas Stranded in Algae-Infested Pools Triggers Fresh Concerns
https://www.sciencealert.com/video-of-orcas-stranded-in-algae-infested-pools-triggers-fresh-concerns

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部