ギリシャ危機は2009年、政権交代により財政赤字の隠蔽が発覚し、赤字がGDP比13%超に修正されたことで信用を失い、深刻な財政危機に陥りました。公務員の過剰な雇用や年金制度の過剰な優遇も背景にありました。
石破首相の本日発言、日本はギリシャより財政が悪いということで超長期金利が上昇してしまいました。日本の30年債利回りはリーマンショック前を超えております。日本の超長期国債は海外勢のシェアが多いので、コントロールが効かなくなってます。まあ、本来あるべき姿ですね。別に石破首相は悪くありま… pic.twitter.com/DGNaUG48Os
— ひろぴー (@hiropi_fx) May 19, 2025
その後、構造改革と高インフレ、外資の流入などにより債務の圧縮が進み、成長率も回復傾向にありますが、実質GDPは危機前より約3割低いままです。
参照:米国債格下げとギリシャよりも悪い日本の財政 野村総合研究所
ギリシャは緊縮財政で債務も圧縮しましたが、日本はいまもGDP比約235%の債務を抱えています。ギリシャはユーロを使い通貨発行ができなかったため、EUやIMFの支援と引き換えに厳しい緊縮を強いられました。この対応に「自国通貨で国債を出せなかったから破綻した」という反論もありますが、逆にユーロ建てだったからハイパーインフレを避けられたという見方もあります。債務の持続性は通貨ではなく政府への信頼で決まります。
ちなみにギリシャの財政破綻は「自国通貨(ドラクマ)建ての国債じゃなかったから」とMMTはいうが、それは逆。 ユーロ建てだったから、あの程度ですんだ。ドラクマ建てだったらハイパーインフレになっていた。政府債務の維持可能性は自国通貨建てかどうかではなく、政府の信認で決まるのだ。
— 池田信夫 (@ikedanob) May 19, 2025