ギリシャ危機は2009年、政権交代により財政赤字の隠蔽が発覚し、赤字がGDP比13%超に修正されたことで信用を失い、深刻な財政危機に陥りました。公務員の過剰な雇用や年金制度の過剰な優遇も背景にありました。

その後、構造改革と高インフレ、外資の流入などにより債務の圧縮が進み、成長率も回復傾向にありますが、実質GDPは危機前より約3割低いままです。

参照:米国債格下げとギリシャよりも悪い日本の財政 野村総合研究所

ギリシャは緊縮財政で債務も圧縮しましたが、日本はいまもGDP比約235%の債務を抱えています。ギリシャはユーロを使い通貨発行ができなかったため、EUやIMFの支援と引き換えに厳しい緊縮を強いられました。この対応に「自国通貨で国債を出せなかったから破綻した」という反論もありますが、逆にユーロ建てだったからハイパーインフレを避けられたという見方もあります。債務の持続性は通貨ではなく政府への信頼で決まります。