この世に生まれてきたからには、誰もが幸せな人生を送りたいと思っているはずです。
その一方で、万人に当てはまる”幸せの法則”のようなものはありません。
何に幸せを感じるか、どのような生き方をすると幸福になるかは、人それぞれです。
そしてこのほど、米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)の研究チームは、幸福度の高め方は人によって個別のアプローチがあることを再確認し、その方法として主に3つのパターンがあることを報告しました。
さて、みなさんにふさわしい幸福度の高め方はどれでしょうか?
研究の詳細は2025年5月2日付で科学雑誌『Nature Human Behaviour』に掲載されています。
目次
- 幸福度を高める3つのルートとは?
- 幸せへの近道は、あなたの中にある
幸福度を高める3つのルートとは?
人類は昔から「幸せの源」について考えてきました。
近年では国連の『世界幸福度報告書(World Happiness Report)』といった取り組みを通じて、世界中で人々の幸福の向上が目指されています。
「幸福の源を理解しなければ、効果的な介入策はつくれません」と、カリフォルニア大学デービス校の心理学助教であり、本研究主任のエモリー・ベック氏は述べています。
そうしてベック氏らは、これまでの研究成果を踏まえて、幸福度の高め方には主に3つのルートがあることを指摘します。
まずひとつめは「ボトムアップ型」です。
これは収入、健康、人間関係、仕事、住居といった外的要因の満足度が積み重なって、全体的な幸福感が高められるという考え方です。
ボトムアップ型に当てはまる人は例えば、いい車、いい家、豪華な食事、高級ファッションなどによってモチベーションが上がったり、あるいは世間的に見て贅沢でなくても、自分の趣味に合ったモノや環境に囲まれることで幸せを感じます。
『世界幸福度報告書』などはこの考え方を採用しており、社会全体の所得水準や環境、福祉の向上を通じて、幸福度を底上げする政策が重視されています。
