打ち上げ1回あたりの二酸化炭素排出量は、商業航空機の平均フライトの最大10倍にもなるという。

環境への影響はこれだけではありません。

昔から「上がったものは必ず落ちてくる」といわれるように、人工衛星もやがて再突入して大気中で燃え尽きます。

最近の研究では、衛星が再突入時に燃焼する際、大量の金属粒子が大気中に放出されることが示唆されています。

この分野の研究はまだ始まったばかりですが、いくつかの科学者は「大気中の金属濃度が増加すると、地球の磁場まで狂ってしまう可能性がある」と警告しているのです。

もちろん、こうした民間衛星は、農村部やインフラの整っていない地域に高速インターネットを提供するなど、社会的に有益な側面もあります。

しかし、多くの専門家は「その利益が潜在的なリスクを上回っているのか?」と疑問を呈しています。

少なくとも、現状がよく理解されるまでは、人工衛星の打ち上げペースを落とすべきなのかもしれません。

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参考文献

How many satellites orbit Earth?
https://www.livescience.com/how-many-satellites-orbit-earth

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部